3年間の禁煙に成功した方法を公開

17年間タバコを吸っていた私が3年間の禁煙に成功した方法を公開します。

少し長くなりますが、これから禁煙を始めようと思っている方や、やめたいけどやめられない方などの参考になることがあるかもしれません。

「体調」「気持ち」「見た目」にどのような変化があったのか、禁煙をしてどのような効果があったのか、これまでの禁煙生活の総集編です。


禁煙で重要な3つのコト

やめる気のない人がやめるのは難しいので、「なぜやめなければいけないのか」「喫煙がどれだけ健康に悪いのか」「禁煙するとどんな効果があるのか」を知る必要があります。
同じく、やめる気のない人をやめさせるのは難しいので、上記を理解させなければなりません。

禁煙が成功するかどうかは、本人にその「意志」があるかどうかで大きく変わります。8から9割を握っているといっても過言ではありません。
あとは自分に合った方法を見つけるために、失敗しても次の方法を試し諦めないことです。

JT(日本たばこ産業株式会社)やフィリップモリスジャパン(PMJ)は、厚生労働省が禁煙や分煙をすすめる一方で、「Ploom TECH」や「iQOS(アイコス)」のような煙やニオイがあまり出ず、灰も出ないタイプのタバコを販売しています。

禁煙の理由が、「吸う場所がなくなったから」という人は誘惑に負けないように気を付けてください。

禁煙で重要なのは「知識」と「意志」と「勇気」です。

喫煙のリスクを知り、
禁煙のメリットを知り、
禁煙を成功させるという意志があり、
禁煙を始める少しの勇気があれば必ず成功します。


「あの時やめていれば……」と後悔する日がきませんように。

喫煙歴と禁煙歴

  • 喫煙歴;17年
  • 一日吸っていた本数:15~20本
  • 禁煙歴:3年
  • 禁煙回数:2回
まずは、どんな人が禁煙に成功したのか、そのタバコ歴を紹介します。かれこれタバコと出会ってから20年になります。

喫煙歴は17年で、一日に15~20本吸っていました。大体1時間に1本吸うペースで、起きている時間により本数は増えたり減ったりしていました。JTの調査「毎日吸う人」の平均喫煙本数(PDF)では、男性が19.1本、女性が15.1本なのでごく一般的な本数を吸っていたことになります。

禁煙歴は、2013年の年末から開始してもうすぐ丸3年になります。長期間(1か月以上)の禁煙は、これが人生で2度目です。

途中で挫折しかけましたが、何とか3年間続けることができました。

禁煙3ヶ月でタバコを吸ってみてわかったこと

タバコをやめる理由

私がやめた理由は「禁煙のきっかけと禁煙中の暇つぶしや眠気覚まし」でも書きましたが、体調が悪くなったのがきっかけで仕方なく禁煙する決意をしました。

タバコをやめる理由を明確にすることは、禁煙を成功させる上で重要な要素の一つといえます。

健康のため、節約のため、職場で吸えなくなったから、何でもいいので明確な理由が一つあると吸いたくなった時に踏みとどまることができます。

この理由を超える吸いたさであれば、諦めるしかありません。所詮その程度のやめる理由だったということです。念のため最後にもう一度、本当に吸ってしまっていいのか考えてみてください。

私の場合、禁煙前はタバコを吸うと息苦しくなっていたので、「吸うと苦しいからやめておけ」と心の中で言い聞かせて我慢していました。

禁煙期間が長くなるにつれ、「吸うと苦しいからやめておけ」から「せっかくここまで禁煙したから吸うのはもったいない」に変わっていきました。

喫煙の健康への影響

タバコが健康に悪いとわかっていて吸っている方がほとんどだと思います。ここで、喫煙は人にどのようなリスクを及ぼすのか、おさらいしておきましょう。

厚生労働省:喫煙と健康問題について簡単に理解したい方のために(Q&A)

上記リンク先のデータは、50年位以上前の古いものや、ミスなのかわざとなのか文字がつぶれて読み取れない画像が使われていますが、見ないよりはマシです。

妊婦の方やその家族は「コウノドリ」(2巻後半から3巻前半)を読んでみてください。妊娠中の喫煙がどれほど危険かが、よくわかります。

下記で紹介する禁煙本から、
『禁煙バトルロワイヤル』では、肺ガンのリスクが4.5倍、喉頭がんのリスクが32.5倍となっており、『禁煙のすすめ』では、肺ガンの頻度は禁煙5年後には危険率は半分に、10年後には4分の1に減少するとなっていました(イギリス王立学会1962年のデータ)。

いつまで吸いたいのか

「5年後も吸いたいんじゃないか」「一生続くんじゃないか」と思っている方も多いと思います。これが不安で禁煙に踏み出せない人もいるでしょう。

でも大丈夫です。
私も禁煙開始から1週間は吸いたくて悶えるほどでした。これは血液内のニコチン量が減ることで起きる離脱症状で、体内のニコチンが抜けるまで続きます。

体内のニコチンが排出されるには3週間かかるとされています。禁煙が1か月続かないのはこれが原因です。

タバコを吸うと7秒でニコチンが脳に達し、血液内にニコチンが染みわたります。血液内のニコチン量は喫煙30分後には半分になり、一時間後には4分の1まで落ちます。このときに起きる離脱症状から逃れるために次の1本を吸うのです。私が大体1時間に1本吸っていたのもこれが原因です。

結局「いつまで吸いたいのか」ですが、強烈な吸いたさは大体1か月くらいで和らぎます。詳しくは「禁煙中の吸いたい気持ちはいつまで続くのか」に書いてありますが、2か月もすればだいぶマシになります。

ただし、禁煙から3年経った今でも一瞬吸いたくなる時はあります。ほんの一瞬なので、これが原因で「また吸い始める」なんてことはないと思いますが、「1本だけなら大丈夫」なんて考えないように注意してください。

今なら1本くらい吸っても大丈夫?
禁煙3年半で何気なくもらった1本で禁煙失敗

人により、すぐに吸いたくなくなる人もいれば、私のように3年経っても吸いたくなる人もいます。1本吸ってしまえば、すぐに喫煙者に逆戻りします。
タバコはくせになる嗜好品であり、吸い始めて二週間もたつと小学生でもやめられなくなるといいます。

禁煙の効果とメリット・デメリット

効果は意外とすぐにあらわれました。

禁煙の効果とメリット

  • 胸の痛みがなくなる
  • 息切れがなくなる
  • 嗅覚が戻る
  • 味覚が戻る
  • タバコ臭くなくなる
  • イライラしなくなる
特に胸の痛みがなくなったのと、運動したときの息切れがなくなったときは初めて「禁煙してよかった」と思えました。

その他にも、味覚や嗅覚が敏感に正常に戻りました。

禁煙をするとご飯がおいしくなる?禁煙による味覚の変化

禁煙から1年半のときはタバコの匂いが好きでしたが、さらに1年半たった今ではタバコの臭いを不快に感じます。すれ違う人がタバコを吸う人かどうかもわかるようになりました。

さらに、部屋や服、身体からタバコの臭いがなくなります。

また、イライラすることがなくなって、コンビニへ買い出しに行くこともなくなりました。

そういえば、禁煙をしてから一度も風邪を引いていません。

禁煙経験者に聞いた禁煙のメリット

デメリット

なし

ただ、禁煙する前と禁煙初期はこんな風に思っていました。
  • タバコを吸っていたときの時間に何をすればいいかわからない
  • 喫煙所でのコミュニケーションがなくなる
  • タバコをやめるとイライラする
これは間違いだということに気づきました。

確かに最初は、タバコを吸っていた時間に何をして過ごせばいいのかわかりませんでした。しかし、これは時間が解決してくれます。何か対策をしたいのであれば、筋トレやストレッチしてみてください。※間食のし過ぎにはご注意ください。

喫煙所でのコミュニケーションは、最初のうちは一緒について行って、煙を浴びるくらいのことはしてもいいと思います。何より、今は吸っていない人の方が多いので問題ないはずです。

タバコをやめるとイライラするというのは真逆で、吸わないとリラックスしない体や脳になっているのです。
タバコを吸っている人とそうでない人は、そもそものスタート位置が違います。

仮に、タバコを吸っいるときのリラックス度を100だとします。これが30分後に50になり、1時間後には25になります。そして、タバコを吸うと100に戻ります。

確かにこれだけを見ると、タバコを吸うとリラックスしているように見えます。しかし、タバコを吸っていない人の場合はどうなるかみてみると、そもそも吸いたいと思わないのでタバコ(ニコチン)が原因でリラックス度は落ちません。なんなら、上限が100ではなく本当は150や200だったなんてこともあります。

見方を変えて、1本目を吸った瞬間にリラックス度が0になり、吸い終わるとマイナスになっていくと考えた方がいいかもしれません。

初めてタバコを吸った日のことを思い出してください。その日「イライラしていた」「不安だった」なんて人はほとんどいないと思います。仮にいたとしても、初めての1本で「ぷはぁ~、おちつくなぁ~」「ふぁ~、やすらぐわぁ~」とは思わなかったはずです。

タバコにまつわる勘違い

タバコが「おいしい」と思っている方も少なくないと思います。
確かに吸えない時間が長く、我慢した後の1本は最高に「うまく」感じます。でも、これも勘違いだったということに気が付きました。

前述したように、3か月目に吸ってしまったときの味は決しておいしいもではありませんでした。これは「吸ってしまった罪悪感」でとかではなく、実際の「味」がおいしくなかったのです。

また、「俺のおじいちゃんは毎日1箱吸ってるのに85歳でも元気だ」や「うちのおばあちゃんは毎日お肉を300gも食べている」などという人がたまにいます。

後者はタバコとは関係ありませんが、「吸っているのに元気」なのではなく「元気だから吸える」だけなのです。お肉も一緒で、大抵は「お肉を食べているから元気」なのではなく「元気だからお肉を食べられる」のです。

禁煙は簡単

いや、「超」簡単です。

これは、「成人喫煙率(JT全国喫煙者率調査)」を見ても明らかで、禁煙外来が全額負担であった11年前(平成17年の喫煙率 男:45.8%、女:13.8%)と比べ、男性が16.7%、女性が4.1%減少(平成28年の喫煙率 男:29.7%、女:9.7%)しています。

仮に、1億人の30%が喫煙していたとして3000万人、ここから10%減少した20%の2000万人が現在の喫煙者です。この場合、実に1000万人もの人が禁煙に成功したことになります。

もちろん、喫煙していた方が亡くなって、新たに吸い始めた人が減っている可能性もあります。しかし、残りの2000万人の中には全く禁煙をする気がない人も大勢いるはずです。

なぜ禁煙は簡単なのか

その答えは、「吸わなければいいだけ」だからです。

ダイエットのように、食事制限をしてウォーキングや筋トレをして、など「何かをする必要がない」というのがポイントです。

「しない」のと「する」のでは、圧倒的に前者の方が簡単です。その理由は、このギネス記録結果を見ていただければわかると思います。

「眠らない」と「眠る」

アメリカのランディー・ガードナーさんの元ギネス記録があります。

彼は、不眠記録に挑戦し264時間分という驚異的な記録(※現在このギネス記録は危険すぎるため削除された)を残しました。
しかし、その後、14時間40分の睡眠で目を覚ましました。

11日間も睡眠「しない」ことはできても、1日間すら睡眠「する」ことはできないのです。

いかに「する」ことが難しいかがわかると思います。

注意してほしいのは、タバコを吸うのを我慢「する」と考えないことです。喫煙「しない」と思うようにしてください。

禁煙方法

  • 禁煙外来
  • 禁煙本を読む
  • 禁煙補助グッズを使う
  • 3年間の禁煙に成功した方法
上記以外にも様々な禁煙方法があります。ただし、どれも禁煙する「意志」がないと成功しません。

禁煙外来

全員が保険の適用が認められるわけではないことに注意が必要です。

禁煙外来では、保険が適用されるためにいくつかの条件があります

  • TDSニコチン依存度テストが5点以上である
  • 35歳以上の方は、ブリンクマン指数が200以上であること

TDSニコチン依存度テスト

TDSニコチン依存度テストは全部で10問あり、「はい」を1点「いいえ」を0点で計算します。
TDSニコチン依存度テスト
問1 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか?
問2 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか?
問3 禁煙や本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか?
問4 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、次のどれかがありましたか?
(イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)
問5 問4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか?
問6 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか?
問7 タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
問8 タバコのために自分に精神的問題(※)が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
問9 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか?
問10 タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか?
※(注)禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抗うつなどの症状が出現している状態。
合計が5点以上でニコチン依存症となります。

ブリンクマン指数

1日の平均喫煙本数×喫煙年数=ブリンクマン指数

ブリンクマン指数が200以上で保険適用対象です。

私は、TDSニコチン依存度テストが5点、ブリンクマン指数が289でした。

残念ながら「禁煙外来」は体験していませんが、禁煙外来に掛かる費用はタバコ代よりも安く、禁煙成功率(5 回目治療終了時点から遡って4週間)は全体で78.5%となっています。

「全体で」というのがポイントで、「ニコチンパッチ」や「ニコチンガム」などを使用した人と使用していない人では、使用していない人の方が成功率が高い。詳しくは「禁煙成功率の実態調査(PDF)」で確認できるが、ニコチンパッチとニコチンガムを併用した人の成功率は50.0%、いずれも使用していない人の成功率が90.6%となっています。

ヘビースモーカーが禁煙外来でタバコをやめました
一人で禁煙するのは無理だと思って、禁煙外来に通いました

禁煙本を読む

私はこの記事を書く前(禁煙から2年10か月)に、今まで一度も読んだことのなかった「禁煙本」を3冊読んでみました。

なぜ今更読んだのかというと、みんながオススメする禁煙本がどれだけ素晴らしいのか、前から気になっていたからです。

今回読んだのは以下の3冊です。読み飛ばしたりせず最後まで読みました。
  • 禁煙セラピー
  • 禁煙のすすめ
  • 禁煙バトルロワイヤル

読むだけで絶対やめられる禁煙セラピー 著:アレン・カー


アレン・カーさんは、一日に100本以上、少ない日でも60本も吸うヘビースモーカーでした。
表紙では「絶対」となっていますが、中を見ると禁煙成功率は90%と書かれていました。この驚異の成功率にはカラクリがあります。その答えは40章を読むとわかると思います。

禁煙のすすめ 著:里見信子


里見信子さんは『禁煙のすすめ』内でも書いている通り「嫌煙家」です。
国の対応の遅さの批判と、いかにタバコが体に悪いのかが書いています。
また、「禁煙テラピーセラピー」の一文が引用されていました。

禁煙バトルロワイヤル 著:太田光 奥仲哲弥


愛煙家である爆笑問題の太田光さんと、山王病院副院長の奥仲哲弥さんが議論する内容になっています。
他の禁煙本とは異なり、喫煙者の「ミカタ」という印象を受けました。

読んだ感想

喫煙や禁煙などに関する知識をつけるために読んでみる価値はあると思います。
また、禁煙する人だけではなく、その家族や周りにいる人も一緒に読むと成功率が上がりそうです。

ただ、禁煙開始から約3年経った私の感想なので参考になるかわかりませんが、正直いうと「読む気持ちさえあれば買う必要はないかな」とも思います。

中には図書館でも借りられる本もあると思うので、気になる方は一度読んでみてください。

禁煙補助グッズを使う

禁煙本もその一つですが、様々な禁煙グッズが販売されています。

有名どころでは「ニコチンパッチ」「ニコレット」「電子タバコ」などがあります。

中でも私がオススメするのが、離煙パイプです。

離煙パイプは、吸いながら禁煙できるのが特徴で、31本のパイプを付け替えていき、ニコチン摂取量を減少させていきます。

最終的にはニコチンを95%もカットするので、離脱症状が軽い状態で禁煙することができます。禁煙成功率89.3%です。

現在の価格はコチラ

3年間の禁煙に成功した方法

上で離煙パイプをオススメしたのには、私が3年間の禁煙に成功した方法と関係があります。

詳しくは「喫煙歴17年が成功した禁煙方法」に書いてありますが、タバコに穴をあけて煙の吸う量を調節して、徐々に本数を減らしていき最終的にやめました。

私の場合は多少強引にやめたので、人によってはもう少し余裕をもって準備をした方がいいかもしれません。